税務

リビングニーズ特約と所得税、相続税

焼津、藤枝、静岡等の静岡県中部の税理士、公認会計士|かたかわ会計

 

リビングニーズ特約とは?

被保険者が、医師から余命6か月以内と診断された場合に、死亡保険金の一部ないし全部を生前に給付してもらえる特約をリビングニーズ特約といいます。生前給付金は、対象となる死亡保険金の範囲内で最大3,000万円、当該特約は無料となっております。詳細については生命保険各社のHPをご参照ください。

 

リビングニーズ特約と税金

所得税とリビングニーズ特約

リビングニーズ特約に基づいて、生前給付金が支払われた場合、結論から言えば、被保険者が当該生前給付金を受け取っても非課税所得とされます。内容としては、死亡保険金の前払いですが、重度疾病に基づいて支払われる保険金に該当するため非課税として扱われています。

相続税とリビングニーズ特約

当該生前給付がなされた後、給付金を使い残したまま不幸にも被保険者が亡くなられた場合、みなし相続財産である死亡保険金と異なり、

500万×相続人の人数の非課税限度額が適用されないことになります。

つまり、遺族が死亡保険金として受け取った場合には上述の非課税枠を利用できましたが、生前給付を受け給付金の使い残しがあると、その使い残しが本来の相続財産として相続税の課税対象となります。

 

参考資料

所得税法第9条第1項第17号

(非課税所得)
第九条  次に掲げる所得については、所得税を課さない。

十七  保険業法 (平成七年法律第百五号)第二条第四項 (定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項 に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの

所得税法施行令第30条第1号

(非課税とされる保険金、損害賠償金等)
第三十条  法第九条第一項第十七号 (非課税所得)に規定する政令で定める保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)は、次に掲げるものその他これらに類するもの(これらのものの額のうちに同号 の損害を受けた者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分)とする。

一  損害保険契約(保険業法 (平成七年法律第百五号)第二条第四項 (定義)に規定する損害保険会社若しくは同条第九項 に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約又は同条第十八項 に規定する少額短期保険業者(以下この号において「少額短期保険業者」という。)の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この条において同じ。)に基づく保険金、生命保険契約(同法第二条第三項 に規定する生命保険会社若しくは同条第八項 に規定する外国生命保険会社等の締結した保険契約又は少額短期保険業者の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この号において同じ。)又は旧簡易生命保険契約(郵政民営化法 等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)第二条 (法律の廃止)の規定による廃止前の簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)第三条 (政府保証)に規定する簡易生命保険契約をいう。)に基づく給付金及び損害保険契約又は生命保険契約に類する共済に係る契約に基づく共済金で、身体の傷害に基因して支払を受けるもの並びに心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金(その損害に基因して勤務又は業務に従事することができなかつたことによる給与又は収益の補償として受けるものを含む。)

所得税基本通達9-21

(高度障害保険金等)
9-21 疾病により重度障害の状態になったことなどにより、生命保険契約又は損害保険契約に基づき支払を受けるいわゆる高度障害保険金、高度障害給付金、入院費給付金等(一時金として受け取るもののほか、年金として受け取るものを含む。)は、令第30条第1号に掲げる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当するものとする。(昭55直所3-19、直法6-8、昭57直所3-8、平元直所3-14、直法6-9、直資3-8改正)

相続税法第12条第1項第5号

(相続税の非課税財産)
第十二条  次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。

五  相続人の取得した第三条第一項第一号に掲げる保険金(前号に掲げるものを除く。以下この号において同じ。)については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分
イ 第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得した同号に掲げる保険金の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した保険金の金額
ロ イに規定する合計額が当該保険金の非課税限度額を超える場合 当該保険金の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した金額

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